さすらう隠居人の日記

旅、俳句、映画、ゴルフなど

河童忌

芥川龍之介は94年前の昭和2年7月24日に35歳で自死した。
芥川の作品は文庫本で出ている作品はすべて読んでいたので、大学2年の昭和52年に芥川龍之介全集(岩波書店)が出た時には全12巻を順次購入したが、全集はほとんど読んでいない。

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芥川龍之介全集第九巻

俳句に興味を持つようになってから、彼の忌日を河童忌ということを知った。河童の絵を好んで描いたからだそうである。俳号から我鬼忌、澄江堂忌ともいうとのことである。今日は河童忌であることから、久しぶりに全集を開いてみた。第九巻に「發句」として74句が掲載されていた。他にも多くの句があり1,000から1,100句ほどあると言われているが、私の好きな句はほとんどこの「發句」に入っていた。

木がらしや目刺しにのこる海のいろ
水洟や鼻の先だけ暮れ残る
松かげに鶏はらばへる暑さかな
兎も片耳垂るる大暑かな
などである。
よく知られている
青蛙おのれもペンキぬりたてか
は、「我鬼窟句抄」に入っている。

今日を機会に、43年以上ほったらかしにしていた全集を少しずつ読んでみようと思う。

蛇足になるが、芥川龍之介の死を悼んで飯田蛇笏の以下の句がある。
たましひのたとへば秋のほたるかな