さすらう隠居人の日記

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送り火

お盆は陰暦の7月13日の夕刻から15日までの魂祭(たままつり)として、推古天皇の時代から行われた行事であり、7月13日の夜に苧殻を焚いて迎え火とし精霊を迎え、真菰の馬、茄子の牛、売りの馬などを飾り、供物をそなえて祖先の霊を祭り、16日の夜に送り火で精霊を送る。
送り火は、先祖の霊を再びあの世へ送るために家の前で苧殻や藁を焚き、祖霊が迷うことなくあの世へ辿り付けるように道を照らすためのものとのことである。

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梥本一洋「送り火」京都美術館

大文字などの「五山の送り火」は、送り火が大掛かりになったものである。

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田渕俊夫「京洛心象 煌煌」

水の上の送り火として、火を灯した燈籠を川などに浮かべて流す燈籠流がある。テレビでしか観たことはないが、水に煌めきながらゆっくりと遠くへ流れていき見えなくなる。先祖の霊があの世へ帰っていく美しい情景である。

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京都府宮津市の燈籠流(芳賀ライブラリーより)

現在のお盆は、一般的には陰暦から1ヶ月ずらして8月13日から15日、送り火は16日の今日行われた。