亥の子
今日は11月11日であるが、陰暦十月(亥の月)亥の日であり、亥の子行事の日である。元々は古代中国の無病息災を願う宮中行事に由来しているが、収穫の時期と重なるため、豊作を感謝する行事としても広まっており、亥の子餅を搗いて祝う。
最近抹茶を飲むようになり知ったことだが、この日は茶人にとっては炉開き(風炉から炉に切り替える)、口切り(茶摘みのあと約半年間茶壷に入れ熟成させた壺の封を切る)の日であり、新年のように気持ちがあらたまる正月のようなものらしい。
また、亥は陰陽五行では「水性の陰」として捉えられるため、火難を免れるとも信じられている。
炉開きにも亥の子餅は欠かせないものらしく、私も今日は茶人気取りで亥の子餅をお茶菓子に抹茶を点てようと思い、散歩がてら和菓子屋に向かった。
和菓子屋で亥の子餅を探してみたが置いておらず、「茶人気取りは十年早い。」とのお告げを受けたような気になった。しかしながら、美味しそうな和菓子がたくさんあり、その中から「桔梗」と「万両」を買って帰った。
往復約5kmを歩いて買いに行ったが、亥の子餅は無かったものの、とても美味しく報われた気分であった。
亥の子餅があれば、亥の刻(午後9時から11時)に食べようと思っていたが、無かったので家に帰るとすぐに食べてしまった。風流な茶人気取りよりも食い意地が張っている私にとっては、亥の子餅が無くてちょうど良かったのかも知れない。