青木宣親選手とボビー・ジョーンズ
昨日の日本シリーズ第4戦、7回裏ヤクルトの攻撃で青木宣親選手の打席、ピッチャーの投球が逸れ、青木選手が転倒した。
(上に掲げた日刊スポーツの写真の撮影者は、私の大学クラブの同期の息子さんである。)
その直後、審判は死球を宣告したが、青木選手は投球はバットのグリップ・エンドに当たり、体には当たっていないと審判に説明し、死球は取り消されファール・ボールに修正された。この大試合で、正しいことを自ら申告することにとても清々しさを感じた。共感された方も多いと思う。
日本のプロ野球をリードしていく立場の選手がこのような姿勢を示すことで、次の世代が良い影響を受けることを望みたい。
この青木選手のフェアプレーを観て、すぐに浮かんだのがゴルフのボビー・ジョーンズである。
上の写真は、「ダウン・ザ・フェアウェイ」(小池書院)に挿入されている1930年に年間グランドスラムを達成した時の写真である。
その5年前の1925年全米オープンで、ボビー・ジョーンズがラフにあったボールを打とうとアドレスした時に微かにボールが動いたらしく、自らに1打罰を課した。同伴のウォルター・ヘーゲンは「動いたように見えなかったのでペナルティは必要ない。」と言ったが、ボビー・ジョーンズは「自分は動いたのを見た。」と言って変更しなかった。この試合は、最終日終了時点で1位タイであったが、プレーオフで敗れた。
大試合におけるこのフェアプレーの精神を絶賛されたが、ボビー・ジョーンズは「金を盗まなかったことを誰も褒めない。ゴルファーとしての当然の行為である。」と話した。彼は成績はもちろんのことであるが、アマチュアを貫き通し、ゴルフに対する真摯な姿勢が球聖と云われる所以であろう。
青木宣親選手や球聖ボビー・ジョーンズに見習うべき価値は大きい。