さすらう隠居人の日記

旅、俳句、映画、ゴルフなど

中村吉右衛門さんを偲ぶ

夕方のニュースで二代目中村吉右衛門さんが亡くなったことを知った。

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二代目中村吉右衛門

三月大歌舞伎を休演した後、復帰することが決まっていた七月大歌舞伎を再び休演することとなり、その後も様子がわからず心配していただけにとても残念である。

吉右衛門さんは鬼平犯科帳長谷川平蔵と共通する部分があったのか、とてもはまり役であった。多くの人が放映を楽しみにし、終了したことを淋しく思っていることと思う。

吉右衛門さんの歌舞伎を観たいと思っていたものの、なかなか機会がなく叶わず生で観ることはできなかったが、何年か前にシネマ歌舞伎で「一谷嫩軍記 熊谷陣屋」を観て、堪能することができた。

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二代目吉右衛門の熊谷陣屋

初代中村吉右衛門は娘しかおらず、その娘が五代目市川染五郎(のちの初代松本白鸚)と結婚する時、男を二人産んで次男を養子に差し出すと言い、その通り4歳の時に吉右衛門さんは初代の養子になったそうである。(戸籍上は、実の母親が姉、実の兄が甥になってしまった。)

祖父であり師である初代とは9歳の時に死別している。二代目襲名の前には、「中村吉右衛門は一代限りにした方が良いのではないか。」と記事に書かれショックを受けたこともあったそうである。

初代吉右衛門の熊谷陣屋の写真もあるが、初代に引けをとらぬ役者となったのではないか。

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初代吉右衛門の熊谷陣屋

二代目中村吉右衛門さんのご冥福をお祈りしたい。