ホンダF1、有終の美
今年でホンダはF1から撤退するが、最終戦のアブダビGPでマックス・フェルスタッペンが勝利しドライバーズチャンピオンになった。それも最終周回での大逆転である。ホンダにとってもアイルトン・セナの時以来、30年振りのF1タイトル獲得となった。
今年のフェルスタッペンとハミルトンの戦いは、一時険悪となることもあったが、最終戦前まで同ポイントとかつてない接戦であり、とても見応えがあった。二人の健闘を讃えたい。
ホンダは試合当日の新聞に、ライバルチームに対して全面広告を出した。驚くべきことである。
これに対し、トヨタもエールを送っている。今までにこんなことがあったであろうか。企業間のスポーツマンシップを見ているようである。感慨深い。
私の父親がホンダの二輪車の愛知県での卸売り会社を経営していた(相当前の話)ので、物心ついた頃からいつもホンダは身近な存在であった。
ホンダが最初にF1に参戦した時(その時、私は小1)には、ホンダの四輪車は軽トラックとS600しかなかった。その前、二輪車に参入した時もすぐにオートバイレース最高峰のマン島TTレースに参戦していた。本田宗一郎は常に世界のトップを見据えていたのである。
世間からは無謀とも思われていたF1参戦であったが、翌年の1965年にはリッチー・ギンサーが乗りメキシコGPで優勝した。1967年にもジョン・サーティースが乗りイタリアGPで優勝したが、1968年をもって活動を休止した。
その後、1983年に復帰し快進撃を果たし、、アイルトン・セナというスーパースターも加わり、F1人気は絶頂期を迎えた。
その後も休止、復帰を繰り返したが、ガソリン車としての復帰はもうないであろう。
ホンダはマスキー法にもいち早く対応し、自動車メーカーとして飛躍した。F1もホンダに勝たせないためのレギュレーションの変更が数多くあったと思うが、その都度克服し逆に技術の進歩につなげた。
今回、自動車業界は今までとは全く違う変革を求められているが、本田宗一郎から続くホンダイズムが生き続け、カーボンニュートラルを克服し、新たな自動車メーカーとして生まれ変わると信じている。
その時は、電気自動車のレースで世界を席巻してもらいたい。