さすらう隠居人の日記

旅、俳句、映画、ゴルフなど

荻須高徳展

昨日のブログで皆さんに心配をかけてしまったが、一昨日吐いてから痛みは和らぎ、元気を取り戻しつつある。

今日は稲沢市荻須記念美術館へ行って来た。現在、荻須高徳の生誕120年を記念して荻須高徳展が開催されているが、明日が最終日であり、間に合って良かった。

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荻須高徳展図録

私は街の風景画を観ることが好きで、今回の展覧会は副題が「私のパリ、パリの私」とされているように、パリの街角、建物などの絵が多い。

パリを描く画家としてユトリロも大好きであるが、この二人が同じ場所「コタン小路」を描いているので比較してみたい。

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コタン小路
左:荻須高徳(1936年)荻須高徳展図録より 
右:ユトリロ(1911年)ユトリロと古きよきパリより

荻須高徳がコタン小路を描いたのは、ユトリロが描いた約25年後である。
荻須高徳は、どちらかというと濃く深みがある絵が多く、ユトリロは、白っぽい絵が多いという印象がある。もちろん、ユトリロも深みのあるものもあり、絵に造詣の深い人からは叱られそうだが、素人の個人的な印象である。

最近のコタン小路の写真は以下の通りである。上のユトリロの絵と下の写真は、井上輝夫、横江文憲、熊瀬川紀共著「ユトリロと古きよきパリ」新潮社とんぼの本から引用した。

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左:コタン小路の最近の写真
右:ユトリロと古きよきパリ

今日行った美術館は、愛知県の稲沢市に生まれた荻須高徳を記念して1983年に開館されたが、現在はアトリエも復刻されている。

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荻須高徳の復刻アトリエ

展示されていた絵画は81点であったが、どれも興味深く観賞することができた。また、今日購入した図録には、前から読みたかった1980年に発刊された画文集「私のパリ、パリの私 荻須高徳の回想」が掲載されており、思わぬ貴重なお土産をもらった気分である。

往復は車で、歩いた距離は1km程度ではあったが、身体の慣らしになった。この展覧会がなかったら、今日も家に燻っていたかもしれない。明日は散歩再開である。