さすらう隠居人の日記

旅、俳句、映画、ゴルフなど

一寸の虫にも五分の魂

「一寸の虫にも五分の魂」の由来は、極楽寺殿御消息にある「たとへのも一寸のむしには、五分のたましゐとて、あやしの虫けらもいのちをはをしむ事我にたかふへからす」からきているらしい。いろいろな使われ方をするが、小さな虫であっても命の大切さは変わらないということと思っている。

なぜ急にこんなことを言い出したかというと、稲垣栄洋著「生き物の死にざま」草思社を読み、私が知らない種を絶やさないための生殖活動を読み胸を打たれたからである。

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生き物の死にざま

29あるエッセイの1つに「アカイエ」のことが書かれている。蚊は花の蜜や植物の汁を吸って暮らしているが、メスだけが卵の栄養分としてたんぱく質を必要とするため血を吸うとのことである。交尾を終えたメスの蚊は、人間の体温や吐く息(二酸化炭素)を感知し人間とともに家の中へ入り、気づかれないように針を刺し血を吸い、2~3mgの体重が5~7mgに増えうまく飛べない状態で家の外へ出なければならない。彼女はわが子のため、子孫繁栄のために必死なのである。(本にはもっと詳しく興味深く書かれており、とても読み応えがある。)

この内容を知った時は蚊を殺すことに躊躇したが、今は以前と変わらず蚊に刺されないよう対策を講じている。