百合の花
庭の内外のいろいろな所に白い百合が咲いており、散歩の途中にもいろいろな場所でよく見かける。
ほとんど土のない側溝の蓋の隙間や雑草の中から茎が伸び花が咲くのである。
立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花
と女性の美しい立ち居振る舞いをたとえて言うが、わずかな土があれば崖や谷でも育つとても強い花でもある。
万葉集の時代から歌に詠まれ、大伴坂上郎女の
夏の野の繁みに咲ける姫百合の
知らえぬ恋は苦しきものそ
大伴家持の
あぶら火の光に見ゆるわが蘰
さ百合の花の笑まはしきかも
などがよく知られている。
百合は純潔、無垢を示すが、キリスト教では聖母マリアを象徴する花とされており、レオナルド・ダ・ヴィンチの「受胎告知」をはじめ、聖母マリアとともに白い百合が描かれている絵が多い。
8月10日は父の命日であり、家に咲いた父が好きであった百合も持って墓参りに行こうと思っている。