私のジャズの原点
ジャズに興味を持ったのは大学生になってからである。それまでも映画音楽で、スティングのスコット・ジョプリン、死刑台のエレベーターのマイルス・デイビス、華麗なる賭けのミッシェル・ルグランなどを良いと思ったが、それ以上進展することはなかった。
大学生活の後半に、FM東京の深夜放送で油井正一の「アスペクト・イン・ジャズ」を聴くようになり、急速にジャズに傾倒していった。
深夜に聴く油井さんの語り口は紳士的で丁寧であった。紹介する曲に対するリスペクトも感じられ、こちらも引き込まれていった。最初はビッグバンドが好きになり、アーティ・ショウ、ベニー・グッドマンのクラリネット、トミー・ドーシー、グレン・ミラーのトローン・ボーン、デューク・エリントン、カウント・ベーシーのピアノなどそれぞれのビッグバンドの特徴を楽しんでいた。
ビッグ・バンド(特にアーティ・ショウ)は今も好きだが、モダン・ジャズを最近はよく聴いている。
油井さんが1988年に出版したジャズ史を読むことができなかったが、5年前に文庫本として再度出版された。30年以上前に書かれたものだが、私にとってはジャズ史のバイブルとなっている。
最近は飲食店でジャズが流れている店が多くなっている。そういう店の方が私は落ち着く。