さすらう隠居人の日記

旅、俳句、映画、ゴルフなど

枯れ芒

散歩の途中の貯水池に芒が群生しているが、今は穂絮も飛び散り、穂も葉も枯れてきた。枯れ芒にはどこか哀愁が漂っている。

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枯れ芒

下の写真の左は9月28日、右は11月26日にブログで紹介した芒であるが、かなり趣に変化がある。

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話は変わるが、最近、山折哲雄さんの「生老病死」を読んだ。朝日新聞に毎週1回連載したエッセイ(この本では1回分が2ページ)をまとめたものだが、いろいろな視点から書かれており、とても面白く勉強にもなった。

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山折哲雄生老病死KADOKAWA

山折さんは今年で90歳である。この本の中で書かれていることが、数年前から幻聴が聞こえてくるそうだ。私は幻聴というのは囁きとか呟きとか叫びを想像していたが、「船頭小唄」のメロディーがはっきりと聞こえてきて、まとわりつき、はらってもはらっても追いかけてくるのだそうだ。

俺は河原の枯れ芒
同じお前も枯れ芒
どうせ二人はこの世では
花の咲かない枯れ芒

この歌のメロディーが聞こえてくるのである。この歌詞を確認するため、Wikipediaで調べたのだが、「船頭小唄」は野口雨情の作詞、中山晋平の作曲であり、「シャボン玉」、「証城寺の狸囃子」、「雨降りお月さん」などの童謡を作った名コンビによる作品であることを知った。この歌が大ヒットした後、関東大震災が起こっている。

蛇足になるが、「船頭小唄」は明仁上皇陛下のカラオケの十八番だそうである。