さすらう隠居人の日記

旅、俳句、映画、ゴルフなど

フジコ・ヘミングとCOLORS

十数年前、何がきっかけであったか忘れたが、会社の同僚からフジコ・ヘミングさんの曲のCDをもらい聴くようになった。もともとクラシック音楽は好きであったもののジャズにかなり比重が傾いており、彼女の曲を聴くようになってある部分クラシックに回帰した。

隠居人になってから時間があるので、彼女の曲をもっと他にも聴きたいと思っていたところ、いつものように本屋で立ち読みをしていると「フジコ・ヘミング COLORS 音に色を付けるように弾く」という本の背表紙が目に入った。よく見ると最新ベスト・アルバムの公式ガイドブックであった。

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フジコ・ヘミング「COLORS」ビジネス社

フジコ・ヘミングさんの生き様、「COLORS」という最新アルバムに収録された77曲のそれぞれの思い入れが書かれており、挿入されている写真も素敵でありすぐに購入した。もちろん、CD(5枚組)もである。

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フジコ・ヘミング「COLORS」ユニバーサル
(左)表面、(右)裏面

話は変わるが2~3年前のテレビ番組で以下のような放送があった。
ギャンブルで負けが込んだ漁師が、テレビでフジコ・ヘミングさんのラ・カンパネラを聴いて感動し、ギャンブルなど止めてラ・カンパネラを弾けるようになろうと思い立ち、ピアノ講師の奥さんに無理だと言われながらも教えてもらい、その1曲だけを8年間一途に練習して弾けるようになった。その演奏をフジコ・ヘミングさんの前で披露し祝福されていた。
私はその放送を観て、とても感動したことをはっきりと覚えている。私は何でも広く浅くで、何かを成し遂げるということはないが、彼は一つのことに深く集中してフジコ・ヘミングさんをも感動させた。素晴らしい人生である。

ベストアルバム「COLORS」を本を読みながら先ず1枚目を聴いたが、彼女の人生と曲の両方を味わうことができる素晴らしい時を過ごすことができた。